「十勝千年の森」は、約500ヘクタールの敷地にもともとあった自然を生かした5つのガーデンがあります。世界が絶賛したのは「アース・ガーデン/大地の庭」と「メドウ・ガーデン/野の花の庭」。イギリスのガーデンデザイナーズ協会(The Society Garden Designers)の「SGD Awards 2012」で、「グランド・アワード(大賞)」と「インターナショナル・アワード(国際賞)」を受賞しています。審査員から「世界で最も美しい庭」と評価されました。
デザインは、世界的なガーデンデザイナーであるダン・ピアソン。「センス・オブ・プレイス」という設計哲学に基づき、十勝の自然に根ざした庭づくりを目指したといいます。特に「メドウ・ガーデン」は、ナチュラリスティック・プランティングという植栽手法を用いて、生態系の仕組みを取り入れた庭です。この庭には、十勝の自生種とその園芸種、気候の似ている北米の在来種だけしか植えられていません。
そもそもの始まりは1990年代前半。十勝毎日新聞社が「新聞は大量の紙を使うから植樹をして森をつくろう」と、育林を志しました。その舞台に選ばれたのが、現在の「十勝千年の森」です。長いこと放置された開拓地で、当時は2メートルにもなるクマザサに覆われていました。刈ってみると山野草が育ち始めました。その姿をいまに伝えるのが「エントランスフォレスト」です。荒地は少しずつ整えられ、2008年、「十勝千年の森」として再生しました。